シロアリ駆除を自分で!DIYシロアリ駆除の先人に学ぶ具体的方法
床がギシギシと音を立てる、家の中で羽アリを見たなど、シロアリ被害の兆候があったとき、自分で駆除するにはどうすればいいか、その方法を見ていきましょう。
自分でシロアリ駆除した人の体験談
でも、「本当に自分でシロアリ駆除ができるのだろうか?」と心配性でなくても一抹の不安がよぎりますよね。
そこで、まず、自分でシロアリ駆除した人の体験談を見てみましょう!
体験談1:床下に薬を使ってみた
シロアリを自分で何とかしようと、ホームセンターで薬を買って来て床下の木材に塗ることにしました。
薬剤から身を護るためにゴーグルやマスク、カッパやカッパズボン、靴を覆う靴カバーなどをつけて床下に潜りました。
ハケで床下の木材に薬剤を塗っていましたが次第にキツくなり、カッパが破れるなどしたため最終的には噴霧器を購入して床下に薬剤を散布しました。
薬剤の匂いが残りましたが、数日すると気にならなくなりました。
引用サイト:ダッド(パパ)のDIY・USEDブログ
準備が大変ですし肉体的にも辛そうですね。
体験談2:毒のエサを盛ってみた
妻の家の木材がボロボロになっていたので、調べてみたらシロアリの通り道である「蟻道」を見つけました。
インターネットで調べたら毒のエサを仕掛けて巣ごと壊滅させる方法が書いてあったので、シロアリハンターという商品を買って来て蟻道に仕掛けました。
1ヶ月後にエサを調べても食われた後がないので設置場所を変えたところ、3日後くらいにシロアリが食いついているのがわかり、7日目くらいから少しずつシロアリの死骸も確認できました。
1年後くらいに羽アリの発生がなくなり、どこにもシロアリがいないことを確認しました。
引用サイト:早期リタイア日記
(画像引用:イカリ消毒 害虫と商品の情報サイト)
毒エサを置く場所さえ見極めれば、時間はかかるものの素人でもシロアリを退治できそうですね。
自分でやるシロアリ駆除はこの2つ
上記の体験談からもわかるように「床下に入って薬剤を使う方法」と「毒エサを設置する方法」の2つの方法があることがわかります。
シロアリ駆除業界では、それぞれ、
・薬剤散布法
・ベイト工法
と呼ばれています。
双方の違いを簡単に説明します。
薬剤散布法
「薬剤散布処理」や「バリア工法」などとも呼ばれます。
その名の通りシロアリ向けの殺虫剤や防虫剤を木材に塗布したり散布したりします。
シロアリのいる場所をピンポイントに狙うことが可能な方法です。
しかし床下に入って動き回るため肉体的な負担が大きく、危険性もあり、準備に時間とお金がかかる方法でもあります。
ベイト工法
罠として毒エサを設置する方法です。
ベイトとはエサという意味なのでわかりやすいですね。
シロアリが毒エサを巣に持ち帰って他のシロアリとシェアすれば、巣ごと全滅させることもできます。
毒エサを置くだけなので素人でも簡単にできる反面、効果があったかがわかりにくいのがデメリットです。
ベイト工法を自分でやる具体的な方法
では、ベイト工法はどう行えばいいのでしょうか?
体験談のように蟻道が見つかればその周辺に設置して構いませんが、初心者の方は蟻道を見つけられないことも多いはずです。
でも大丈夫、家の周り全体にエサを仕掛けていけばいいのです。
エサですが、イカリ消毒の「シロアリハンター」をおすすめします。
購入したシロアリハンターをシロアリがやってきそうなところ、場合によっては家の周り全体に1~3mくらいの間隔で埋めていってください。
土を3センチほど掘って薬剤を置いていけば問題ありません。
埋める場所は家から20~30cmくらい離したところにします。
もしシロアリの侵入口を発見したけれど周りが土ではない場合は、シロアリハンター自体を養生テープで侵入口付近に固定すれば大丈夫です。
シロアリハンターがシロアリを誘引し、毒エサを巣に持ち帰ってくれます。
シロアリハンターは安全か?
シロアリハンターにはベンゾイルフェニルウレア系のビストリフルロンという成分が含まれています。
これは昆虫の成長を抑制する効果があり、万が一ペットが口にしても大丈夫な安全性の高いものです。
妊婦や子ども、ペットがいる家庭でも安心して使用できます。
シロアリハンターはどこで買える?
各地のドラッグストアやホームセンターで販売されており、通販サイトでもAmazon、楽天、ヨドバシ・ドット・コムなどで取り扱いがあります。
シロアリハンター以外に必要なものは?
特にありません。
強いて言えば穴を掘って薬剤を埋めるときに必要なスコップやシャベル程度でしょう。
自分でベイト工法するときの費用
例として、敷地面積が40坪の家の場合、
家の1階部分の床面積はそれより少なくなりますが、仮に40坪の敷地に2m間隔でシロアリハンターを埋設したとします。
敷地が正方形だとすると40坪の敷地は1辺が11.5m程度になるので、24個あれば十分です。
シロアリハンターは1箱15個入りの業務用のものが5000円程度で販売されているため、2箱買えば問題ありません。
シロアリハンターを使って、
自分でベイト工法する費用は1万円程度で可能です。
ベイト工法をすべき時期は?
4月から10月の間がおすすめです。
この時期にシロアリに活発化し、エサを求めて動き回るからです。
シロアリハンターの有効期間は2年とされていますが、心配な場合は毎年取り替えることをおすすめします。
薬剤散布法を自分でやる具体的な方法
薬剤散布法を自分で試すにはかなりの準備が必要です。
まずは床下に入る前に以下の装備を整えてください。
・防護服…カッパの上下などでもいいですが薄いと破れます。厚手のものにしましょう。
・ゴム手袋…これも薄いと破れるので厚いものにしてください。
・ゴーグル…薬剤が目に入らないようにします。メガネの人はメガネの上からかけられるものがおすすめです。
・防毒マスク…ただのマスクではなく「吸収缶」という毒物を吸収させるパーツがついたものにしましょう。
どれもホームセンターや通販サイトで売られています。
下記リンクのようなものを利用してもいいでしょう。
一式5000円で売っています。
木材に塗る おすすめ薬剤
薬剤のおすすめは「白アリスーパー21」です。通販サイトや大きめのホームセンターで売られています。
成分の非エステルピレスロイド系化合物シラフルオフェンは農薬などに使われており、安定した殺虫効果と人への毒性が低いというメリットがあります。
また、揮発性が低いため異臭など周辺環境への影響が少ないのもメリットです。
木材への薬剤塗布のやり方
用意ができたら床下に入り、シロアリのいるところの木材にハケで薬剤を塗っていきます。
床下には各家庭にある「床下点検口」から入ります。
台所の床下収納などになっていることがあるので、中身と収納ケースを取り出して進入口を確保してください。
床下点検口の周りには新聞紙を敷いておくと、出入りの際に汚れが床につかずに済みます。
実際にシロアリがいるところがわかればいいですが、わからない場合は台所、風呂、トイレ、玄関の床下の木材にハケで薬剤を塗布していきましょう。
たとえそこにシロアリがいなくても予防に繋がります。
木材がボロボロの場所、またはシロアリが多い場所にはハンドドリルで穴を開けて薬剤を注入するのも効果的です。
注入には実験用の注射器があると便利かもしれません。通販やホームセンターで500円程度から入手可能です。
土壌への薬剤散布のやり方
被害箇所やシロアリを予防したいところの木材に薬剤を塗ったら、土壌に薬剤を散布します。
この場合は噴霧器を使うと便利です。噴霧器は通販やホームセンターで手に入ります。
土壌に撒く おすすめ薬剤
土壌に撒く薬剤は『ネオターマイトキラー乳剤』がおすすめです。
これも通販またはホームセンターで販売されています。
水で20倍に希釈したネオターマイトキラー乳剤を床下の土壌や基礎に散布していきましょう。
基礎や木材にヒビが入っているところや台所、風呂、トイレ、玄関の下などに重点的に散布することをおすすめします。
薬剤散布法の注意点
床下は釘やとがった石などがある可能性が高く、意外と危険です。
また、狭い場所で匍匐前進しながら行動するのは肉体的にも大変です。
急に気分が悪くなることもあるので、絶対に1人で作業せず、床下点検口の近くで誰かに待機してもらってください。
また、薬剤の塗布や散布の際には配管や配線に十分に注意しましょう。
配管の破損や配線のショートなど、大きな事故に繋がる可能性があります。
自ら薬剤散布法で敷地面積40坪のシロアリ駆除費用総額は?
気になる費用ですが、大体以下のようなお金がかかります。
・防護服など…フルセットで5000円
・噴霧器…約2000~3000円
・ハケ…約500円
・木用「白アリスーパー21(15L)」…約10000円
・土用「ネオターマイトキラー乳剤(3.6L)」…約15000円
・注射器(任意)…約500円
・電動ハンドドリル(任意)…約2500円~
なお、土用薬剤の「ネオターマイトキラー乳剤」は、散布範囲が広いので、1缶では足りません。
ネオターマイトキラー乳剤は20倍に希釈して土壌1平方mあたり3リットルを使用します。
敷地が40坪の家屋で、仮にすべての場所に散布するとした場合は396リットル必要です。
20倍に希釈することを考えるとネオターマイトキラー乳剤(3.6リットル)を5.5缶、つまり6缶使えば40坪の敷地に必要量を散布できます。
よって諸々含めて、薬剤散布に必要な総額は11万円前後となります。
薬剤散布法での駆除に有利な時期はあるか
シロアリ自体は年中活動しているため、いつ行っても構いません。
「思い立ったらする」
「定期的に自分で時期を決めてする」
などすれば、駆除や予防が可能です。
シロアリ駆除を自分でする方法のまとめ
自分でシロアリをするのであれば、危険がなく経済的な負担が少ないベイト工法が現実的です。
ただしベイト工法は直接シロアリをやっつけるものではないので、毒エサを置く位置を考えなければなりません。
うまく毒エサを食べさせることに成功しても巣が全滅しているかどうかわからないなど、駆除に関しては曖昧な部分があります。
ベイト工法を施したからと言って安心するのではなく、むしろ定期的なチェックが大切です。
自分でやる駆除と業者による駆除の違い
結局、シロアリ駆除は、
自分でやった方がいいのか?
業者に任せた方がいいのか?
それぞれのメリットとデメリットをまとめてみました。
行頭に◯がある方がメリットで、
×がある方がデメリットです。
自分で行うシロアリ駆除のメリット、デメリット
◯費用が少なくて済む
(ベイト工法なら特に少額で済みます)
◯業者へ連絡する手間がかからない
◯好きなときにできる
×確実性がない
×薬剤散布法は危険が伴う
×素人の仕事なので確実性に欠ける
×薬剤散布法だと手間とお金がかかる
業者によるシロアリ駆除のメリット、デメリット
◯手間がかからず、危険性もほぼない
◯プロによる確実な施工で駆除できる
◯保証がつき定期点検してもらえる
×料金が高め
×定期的なチェックを面倒に思う人も
×よく知らない業者を敷地に入れたくない
信頼できる業者選びはどうする
業者を使うことに不安な人の多くは、
「問題のない業者なのだろうか」
「こちらの無知につけ込んで高い金額をふっかけるのではないだろうか」
と考えているのかもしれません。
そういった場合は、シロアリ110番のような各地域の業者を紹介してくれるサービスを利用してみましょう。
問題のある業者とマッチングする可能性はかなり低くなります。
もし業者が問題を起こした場合、シロアリ110番から提携解除されて新規顧客を紹介してもらえなくなるため、シロアリ110番に紹介してもらった業者は問題が起きないように細心の注意を払ってくれる傾向が強いのです。
自分でシロアリ駆除をやるのは、こんな人にはおすすめ
以下のような人は、自分でシロアリ退治に挑戦してみましょう。
・とにかくお金をかけたくない
・まだ白蟻被害がないか、あっても軽微だ
・蟻道がはっきりとわかり、毒エサの仕掛け場所が限定されている
こんな人は業者にお願いした方が無難
反対に、以下のような人は業者に連絡することを強くおすすめします。
・既にシロアリの被害を受けている
・プロの技術で確実にシロアリ退治したい
・保証を受けたい
・白蟻被害を定期的に確認して欲しい
・自分でやって失敗するのが不安だ